制作担当者が語る!
第142回定期演奏会のズバリ『聴きどころ』!!

オール大阪でのプレゼンテーション

大阪生まれ・大阪育ちの作曲家高昌帥氏と、大阪生まれ・大阪育ちのOsaka Shion Wind Orchestraの初共演で
2022-2023年シーズンの定期演奏会がスタートします。

「学生時代から親しんだShionは憧れの的」と語り、Shionにも過去に作品を委嘱している高昌帥氏。
Shionとは、まさに相思相愛の関係が長く続いており、この度の定期演奏会にご登壇いただく運びとなりました。

今、吹き渡る風
NOW, the wind blow
高昌帥作品の中でも少し変わった色味を持つ「今、吹き渡る風」。
曲冒頭はトランペットのバンダ(別働隊)にご注目ください。
トランペットが冒頭で奏でた音階は、その後、各楽器に散りばめられて進んでいきます。
数々の管楽器が奏でる音楽はまさに、「吹き渡る風」のように会場を支配します。

バンダと吹奏楽の立体感はホールでこそ味わえる、ライブならではの楽曲とも言えるでしょう。
初演が演奏された会場であるザ・シンフォニーホールで、Shionはどのような風をもたらすのか。
ぜひお楽しみください。

ウインドオーケストラのための
ナイトフォニー
Nightphony for Wind Orchestra
今回のプログラムの中では一番近作にあたる「ウインドオーケストラのためのナイトフォニー」。
ナイトフォニーとは「夜」「響き」を意味する造語で、
曲想も「響き」に重心が置かれた作品となっております。

指揮者・高昌帥の裁量と奏者の自発的なアンサンブルのせめぎ合いにShionメンバーがどう応えるか。
お互いのパッションが高まり合う姿に注目です。

抒情的な場面を見せつつも、時には正確なアンサンブルを求められる。
様々に変わりゆく音楽の表情が大変印象的な楽曲です。

ウインドオーケストラのための
マインドスケープ
Mindscape for Wind Orchestra
2002年の課題曲であった「吹奏楽のためのラメント」とともに、
高昌帥氏初期の吹奏楽作品の代表作と言えるでしょう。

コンクールで盛んに取り上げられてきた楽曲ですが、残念ながら審査時間の関係で
曲のおおよそ半分の時間で演奏されてしまうのです。(規定上やむを得ないことではありますが…。)
演奏をされたことがある方も、これから演奏される方も、
是非プロフェッショナルの演奏で全曲を聞いていただきたいと思います。

タイトルの邦訳に近い単語が「心象風景」とある通り、
人間の精神的な部分での心の中の風景で時には優しく、時には荒々しく、曲想が揺らいでいきます。

冒頭の鍵盤楽器を中心としたアンサンブルに空間が支配される中、
突如響くトランペットの突き刺すハイトーンから全奏になっていく様や、
幾多の混沌を経て解放されるおおらかな響き、
そしてそのおおらかさを打ち消すような突然のエンディングまでの約16分間。

その熱量に圧倒されるはずです!

優しい花たちへ
For the Sweet Flowers
続いては、2012年に書かれた「優しい花たちへ」を取り上げます。
この曲もザ・シンフォニーホールで初演されており、
シンフォニーホールでは久し振りに演奏されるのではないでしょうか。

力強い作品に目が行きがちな高昌帥作品ですが、この曲は木管群を中心とした暖かい雰囲気に包まれています。
高昌帥氏の周りを取り巻く全ての女性的な存在に対しての愛と感謝を込めた「優しい花たち」。
「あえて具体性を示さず、聞く者にも、奏でる者にも想像力を持ちながら楽曲に入ってもらいたい。」
という作曲者の思いを汲んで、音楽に入り込んでもらいたい。

そんな楽曲であるように思えます。

吹奏楽のための協奏曲
Concerto for Wind Orchestra
2015年に母校である大阪音楽大学の創立100周年を記念して委嘱された作品で、
こちらもザ・シンフォニーホールで初演が行われました。
(来年Shionも創立100周年を迎えますが、大阪音大さんはもう少し設立が早いのですね!!)

高昌帥氏のこれまでの吹奏楽作品のエッセンスを全て盛り込んだ、
いわば作曲家のあゆみを見る作品と言っても過言ではありません。
もちろんそれは集大成ではなく、これからの更なる活躍への入り口であると言えるでしょう。

偉大な先人たちが「管弦楽のための協奏曲」という楽曲名で、
オーケストラ全体をコンチェルト(協奏曲)の対象としたのと同様に、
吹奏楽の全ての楽器に光が当てられ、作品の巧みさと演奏の巧みさが混じり合います。
吹奏楽という形態でしか出せない、管楽器が織りなすShionの協奏に注目ください。
全5楽章30分。吹奏楽曲としては比較的に長時間の部類に入る曲ですが、各楽章ごとの表情に引き込まれます。

今回演奏される5曲は全て高昌帥氏からご提案を受け、取り上げさせていただきました。
まさに今聞いて頂きたい、「2022年の高昌帥の世界」
チケットは絶賛販売中です!皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。

公演の詳細はこちら>>> 第142回定期演奏会 コンサートページ
チケットのご購入はこちら>>> Shionオンラインチケット