Osaka Shion Wind Orchestra 芸術顧問 秋山和慶氏
指揮活動引退に際しまして
当団芸術顧問秋山和慶氏が指揮活動を引退されることとなりました。
誠に残念ではありますが、60年にわたり日本のクラシック音楽界を牽引し、当団とも数々の名演奏を作り出していただきましたことに、楽団員・事務局一同感謝を申し上げます。
大阪市音楽団時代の2003年より芸術顧問としてシンフォニックウインドのレパートリーの数々の名演を当団とともに行い、民営化という大きな転換期にも共に歩んでいただき、大阪市音楽団という69年間の名称の最後の定期演奏会となる第110回定期演奏会(2015)での「祭」をテーマにした公演や、芸術顧問就任20周年・創立100周年を記念する第149回定期演奏会(2023)、など、楽団の節目となる公演で常に登壇をしていただきました。
また、P.グレイアム『ハリソンの夢』(2002)の日本初演、P.スパーク作曲『スリー・ダンス・ミニチュアズ』(2022)の世界初演など数多くの初演を行うとともに、初の海外公演となったシカゴ・ミッドウエストクリニック(2023)では「大阪俗謡による幻想曲(大栗裕)」をはじめとする快演の数々により公演を大成功に導き、世界における「日本の交響吹奏楽」の地位を引き上げてくださいました。
今年度の共演を心待ちにしていましたが、このシカゴ公演が当団との最後の共演となりました。
日本で最も青少年の耳に触れる機会の多い吹奏楽曲といっても過言でない、「全日本吹奏楽コンクール課題曲」参考音源の収録でも度々指揮をしていただき、日本の芸術文化の涵養に多大なる貢献をしていただきましたことを、心よりお礼申し上げます。
楽団創立100周年記念事業発表の場で語ってくださった、「この楽団は100年という伝統を良い意味で守って、練習をしても音楽に真摯に食いついてくる。良い感じで真面目にぶつかってくださって、演奏会で結果をちゃんと出してくれます」という言葉を胸に、秋山氏と培ってきたシンフォニックウインドのレパートリーを継承してまいります。
秋山和慶氏のご快癒を楽団員・事務局一同、心よりお祈り申し上げます。
なお、既に発表されております通り、2025年1月25日開催の第158回定期演奏会は飯森範親氏の指揮により開催いたします。
2025年11月22日開催の第163回定期演奏会に関しましては、改めて発表いたします。
公益社団法人大阪市音楽団