酒井格氏から『山辺の道』の作曲秘話が届きました!
11月22日(土) 第163回定期演奏会
11月22日(土)開催「第163回定期演奏会」で演奏する、酒井格作曲『山辺の道』。
このたび酒井格氏より、作曲にまつわる秘話が寄せられましたのでご紹介いたします。
〜『山辺の道』の作曲秘話 〜
1999年に奈良県吹奏楽連盟からの委嘱作品『大仏と鹿』を初演していただいたのが、Osaka Shion Wind Orchestraの前身、大阪市音楽団であったことから、
当時コンサートマスターを務めていたサクソフォン奏者の長瀬敏和さんと親しくなり、
そんな長瀬さんが指導されていた奈良県の市民バンド「奈良ウィンドコンサートファミリー」の創立20周年を記念した新作を依頼されました。
確か「行進曲を書いてほしい」とお願いされたんだったと思います。
20周年の特別なコンサートで、打楽器のメンバーも大勢参加するので、打楽器もたくさん使ってほしい。そんなことをお願いされた記憶があります。
もう20年以上前の話ですので、記憶がどんどんと都合が良いものに変わっていきます。
そんなこんなで2002年の1月頃、行進曲『山辺の道』が完成しました。
山辺の道はご存知の通り、奈良盆地の東側を辿る日本最古の道で万葉集にも登場するので、
奈良県の市民バンドのための作品名として、とてもふさわしいものと自負しています。
ただ実は、同じ時期に東京の市民バンドからも行進曲を依頼されていて、そちらのタイトルは『海辺の道』。
同じ行進曲のスタイルながら、性格は大きく異なるものですが、この行進曲もぜひShionに演奏していただきたいものです。
ところで、日本の古典文学に嗜みのある方なら「山辺の道」は優雅な印象があるのかもしれませんが、
私の記憶の山辺の道は、小学生の時に遠足で必死に歩き切ったキツい道…戦国時代を描いたかのような曲想になってしまいました。
ですが、尊敬する兄貴分である長瀬さんに頼まれ、実力のある市民バンドが初演してくれるということもあり、とにかく気合を入れて書いた行進曲です。
それだけに、注目してほしいポイントも多数あります。
次回、『山辺の道』の聴きどころをご紹介いたします。
どうぞお楽しみに!