コラム第3弾公開!
2026年3月13日(金) サクソフォン四重奏 NAGISAX
室内楽リサイタル Vol.5

2026年3月13日開催「NAGISAX 室内楽リサイタル Vol.5」のコラム第3弾を公開!
今回はバリトン・サクソフォン奏者 井澤裕介のコラムをご紹介いたします。

「NAGISAX 室内楽リサイタル Vol.5」まで残り3ヶ月!僕自身も公演に向けてワクワクしながら準備しているところです。
プログラムの前半では、サクソフォンの神様と言われるフランスのサクソフォン奏者、マルセル・ミュール氏の愛した作品を演奏します。
その中から、同じくフランス人作曲家ジャン・フランセとアルフレッド・デザンクロの両氏が作曲したサクソフォン四重奏曲についてご紹介します。

♪ 小四重奏曲(J.フランセ)

ジャン・フランセ(1912-1997)は音楽家の両親を持つサラブレッド、そして10歳の頃から名教師ナディア・ブーランジェに師事し、
新古典主義の作曲家として才能を開花させました。
モーリス・ラヴェルも認めたフランセの音楽は、フランス音楽ならではの色彩豊かな和声、
軽やかでキャッチーなメロディーが特徴で、200曲以上を残した多作家でもありました。
サクソフォンのために書かれた作品の中でも、特に有名な「サクソフォン小四重奏曲」(1935)。
ダイナミクスの変化が大きい第1楽章、しかし演奏してみると和声へのこだわりを強く感じます。
第2楽章はアルト、テナー、バリトンの3声のみ。抒情的なアルトのメロディーと、ゆらゆら揺れるテナー、バリトンのフレーズが特徴的です。
第3楽章にはスラップタンギングの指示が!マルセル・ミュールに献呈された作品で特殊奏法は比較的珍しいですが、
こちらも演奏してみるとスラップの響きに和声がついていることがわかります。
弦楽器のピチカートのイメージで書かれたのではないかと推察されます。
モーリス・ラヴェル作曲の「弦楽四重奏曲ヘ長調」の第2楽章のような、ピチカートでオシャレなハーモニーをお届けできたらと思っています。

♪ 四重奏曲(A.デザンクロ)

アルフレッド・デザンクロ(1912-1971)もフランス生まれの作曲家。なんとフランセと同じく1912年に生まれています。
フランセとは対照的に残した作品数は少なく、しかし彼の作品はどれも深い考察に富んでいると評されています。
1943〜1950年の間、ルーベ音楽院の院長、そして1967年からパリ音楽院の和声学の教授を務めました。
1951〜1966年までの期間に、作曲活動を活発に行い様々な作品を書いています。
その期間に書かれた作品の一つが今回演奏する「四重奏曲」(1964)です。
増音程の多用で不気味にも感じる和声の響きが終始展開される1楽章、その中にジャズへの意識も感じます。
第1楽章のフレーズの一部を拡大したものから始まり、平穏と不穏の対照的な2つの感情が渦巻く第2楽章、
終わりに辿り着く和声の美しさが心に沁み入ります。
そして、快活でゴージャスな響きの第3楽章。途中ロックに似たニュアンスがあり、クラシックからの脱却とクラシックへの回帰が頻繁に行われます。
様々な音楽ジャンルへの理解が問われる王道的作品です。

どちらの作品も、NAGISAXとして何度も演奏したことがある作品ですが、演奏する度に新たな発見があり、飽きることはありません。
節目に演奏したい作品を今回久しぶりに取り上げることになり、どんな演奏に仕上がるかワクワクしています。
皆様どうぞ「NAGISAX 室内楽リサイタル Vol.5」へお越しください!

公演概要 日時:2026年3月13日(金) 18:30開場/19:00開演
演奏:Osaka Shion Wind Orchestra サクソフォン四重奏 NAGISAX
会場:あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホール(大阪市北区西天満4-15-10)
プログラム ■ 小四重奏曲(J.フランセ)
■ グラーヴェとプレスト(J.リヴィエ)
■ 四重奏曲(A.デザンクロ)
■ 6つのバガテル(G.リゲティ)
■ The Body of Your Dreams(ヤコブTV)
■ ルートヴィッヒ!〜アフター・ベートーヴェン(L.v.ベートーヴェン/編曲:髙鍋 歩)

※やむを得ぬ事情により、曲目等が変更になる場合があります。予めご了承ください。

>>> 公演詳細はこちら

次回のコラムもお楽しみに!

  • 井澤 裕介(バリトン・サクソフォン奏者)